2016.05.18.wed
記憶に残る食事と香りの関係
昨日の雨は冷たかったですが
今日からしばらくまた、晴れの日が続くようですね。
理事の山下です。
薔薇やハーブたちが一年の中で最も美しい季節のいまの時期は、あちこちで植物のいろんな香りに出会うことも多く、私が一番楽しみにしている季節です。
駅まで歩くいつもの道や、送迎途中の見慣れた風景も、きれいに咲いている花姿が見られるだけで、気持ちがウキウキするものです。
そこにさらに、
ほわぁ~っと薔薇やハーブの香りが漂ってくると、気持ちが一瞬にして変わるのですから、
やっぱり植物の「香り」の力って素晴らしいなと実感しています。
実は先日、この「香り」に注目して、
「より記憶に残る食事」を提案されている素晴らしいお店に出会うことができました。
当協会では、
共通する香りを持つ食材同士を合わせると深みが出て、なおかつ統一感のあるおいしい料理ができるだろうという
フードペアリングを、
ATR(アートゥル)ウォーターでも提案してゆきたいと考えているのですが、
こちらのお店は、
このフードペアリングのひとつともいえる
「ティーペアリング」を実践されています。
フランス料理に日本茶をペアリングという試みです。
どんな日本茶が出てくるのかしらと本当に楽しみで、
次はなに?次はなに〜(≧∇≦)?
とワクワクした気持ちを抑えられないほどですした。
実はこのお店を知ったきっかけは、
キッチン蒸留ATRホームケアアドバイザーを受講してくださった3期生の生徒さんなんです。
今回、実家への帰省に合わせて立ち寄りたいと、彼女にお願いしてご一緒しました。
ありがとうございます。
フランス料理のコース一皿一皿に、日本茶を主軸としたお茶がペアリングされるのですが、
様々な抽出方法や、温度、スパイス、ハーブなどと組み合わされ、
日本茶の香り、風味、色、それに組み合わせられたスパイスやハーブのそれらとうまく調和してそれぞれがそれぞれを引き立たせる
7種全てがまさしくそんなお茶でした。
フランス料理とお茶とのペアリングでしたが、お茶に使われているそれぞれの素材もしっかりペアリングされていました。
素材と素材が出会ったとき、
・単独では出すことのできない奥深い香りと味わいが生まれる(新しい味)
・お互いの長所が増長する
・どちらかが相手を持ちあげる
・口の中がスッキリする
・どちらの味も独立した状態で存在する
といったようなことが起きるのですが、
このことを上手く利用すると、
「味や香りを舌だけでなく脳に焼きつける」
ということができるんだ!
と感動しました。
シェフの考えられる「記憶に残る食事」
には、
その場の雰囲気、空気感、音楽やおしゃべりに加えて、
香りや味のフードペアリングが大切な要素なのだと感じました。
そういえば昔、母から、
お出汁をとるときは、植物性のもの(昆布)と動物性のもの(カツオ厚削りや煮干し)と合わせたほうが旨味が増すのよ
と教わり、今でもかならずそうしていますが、
これもフードペアリングということですね。
グルタミン酸とイノシン酸が出会ってそこで相乗効果が生まれ、旨味が増す。
なるほど〜と、今更ながら妙に納得してしまいました。
組み合わせって大切なのですね。
今回ご縁をいただき訪れたお店では、
なんと芳香蒸留水も取り入れていらっしゃいまして、
その部分でも、どうしても行ってみたいお店だったわけなのですが、
京都祇園の一流シェフが、植物の香りが溶け込んだ生きたお水である 芳香蒸留水 に興味を持たれ、それを料理に取り入れていらっしゃる
ということは、ますます芳香蒸留水の可能性を感じずにはいられません。
京都祇園 MAVO
http://cuisinelamatiere.wix.com/mavo
山下